ぶっちゃけ、今のテレビ制作ってどう?
更新日:4 日前

写真左から
入社2年目 立原さん : ABEMAのエンタメコンテンツを担当。ドキュメンタリー『NO MAKE』では、ディレクターとして制作を経験。『PRODUCE 101』の制作にも参加した。
入社1年目 清水さん : テレビ朝日『朝メシまで。』のADを担当。ロケ準備やリサーチなど、制作現場を支えている。
入社2年目 中尾さん : テレビ朝日『スーパーJチャンネル』の特集コーナーを担当。富士山の山岳救助隊への密着や、街頭インタビューなどの取材に奔走している。
入社4年目 川村さん : 2025年に創設されたストーリー制作部。フィルムエスト作品や民放ドラマに、助監督として参加している。
入社1年目 木下さん : テレビ朝日『じゅん散歩』のADを担当。番組制作の基礎を現場で学んでいる。
忙しい、休めない、先輩が怖い——。
テレビ業界に興味があっても、昔ながらのイメージに不安を感じる人は少なくありません。
そこで今回は、テレビ制作のリアルを、きれいごとだけでなく率直に伝えるため、バラエティ、密着ドキュメンタリー、報道、ABEMA、ドラマと、それぞれ異なる現場で働く入社1年目から4年目までの5人に集まってもらいました。入社後に感じたギャップから、忙しさや休み、先輩との関係、これからの目標まで、本音で語ってもらいます。
忙しさと休みのリアル
川村
正直、忙しいときは忙しいです。『timelesz project』では、収録後に大量のメディアを管理して、帰れない日もありました。「しんどいな」って思うことも、もちろんあります。ただ、今のドラマ制作は、撮影中は忙しくても、作品が終わったら1週間まとめて休めることもあります。ずっと同じ忙しさではなく、波がありますね。
木下
僕は今のところ、ちゃんと休みをもらえています。でも、複数の番組に企画書の締切まで重なると、やっぱり忙しい。本当に番組と時期によりますね。
川村
そうだね。土日に休めるかも担当番組次第。報道は担当曜日によって土日休みだし、土日にロケや放送があれば、別の日に休みます。必ずカレンダーどおりではないけれど、「テレビ業界だから土日は絶対に休めない」というわけではないです。
中尾
報道は曜日ごとのルーティンが、わりとはっきりしています。ただ、ニュースは24時間動いているので、大きな出来事があれば長時間勤務になることもあります。「徹夜は絶対にない」とは言えない。そこは入社前から知っていた方が、ギャップは少ないと思います。
立原
僕たちは『PRODUCE 101』で、入社1年目に約1か月、韓国で生活しながら制作しました。まさか1年目で韓国に住むとは思っていなかったです(笑)。合宿形式で動いたり、徹夜になったりすることもあるけれど、休日にはソウルへ遊びに行ったりして。普通の仕事では、なかなかできない経験でした。
清水
私も最初は、夜から朝までのロケが大変でした。深夜2時、3時になると眠くて。でも、3回くらい経験したら、目がぱっちり開いたまま動けるようになりました(笑)

入社して分かった、テレビ制作の意外な裏側
木下
入社前は、一人が一つの番組を担当すると思っていました。実際は、違うジャンルを掛け持ちする人も多いんですよね。あと、会社でこんなに人としゃべるんだ、というのも意外でした。部署や年次を越えて、すれ違った人ともよく話します。
清水
分かります。私は、映像の使用許可みたいな地道な確認作業が、こんなに多いんだって驚きました。放送では2秒しか映らないカットのために撮影へ行って、カメラ位置を考えて、SDカードも何枚も用意する。テレビを流し見できなくなりました。
川村
番組一本の裏に、見えていない仕事が本当に多いよね。つくる側になると、「この映像、すごいな」って見方に変わる。
中尾
変わりますね。あと、報道、バラエティ、デジタルで、完成までの過程が本当に違う。研修で複数の部署を回って、「一つの会社の中で、ここまで違うんだ」って驚きました。
立原
番組の規模も全然違います。大きな番組では、何台もの定点カメラで撮影して、大量のSDカードを管理する。一方で、少人数の現場では一人が幅広い仕事を担当する。同じ映像制作でも、振れ幅がすごいです。
川村
上の世代も感覚が若い人が多いよね。VTuberに詳しかったり、新しいコンテンツをすごく見ていたり。「なんでそれ知っているんですか?」って驚くことがあります。
清水
あと、すごく小さな話なんですけど、単三電池がすぐなくなります(笑)。インカムを何人もつけるので、ロケへ12本持っていっても、どんどん交換していく。入社前は、電池をこんなに意識したことがなかったです。

ADの仕事と、若手が手を挙げるチャンス
清水
先輩から「新しいネタは、1年目にもどんどん出してほしい。面白ければ自分が会議で話すから」って声をかけてもらっています。まだ自分が会議で発言する立場じゃなくても、思いついたことを持っていけば上につないでくれる。1年目の視点も、ちゃんと求めてもらえているんだなって感じます。
木下
僕の現場も、ADの意見をすごく聞いてくれます。もちろん素材探しやロケ準備、議事録みたいな地道な仕事もあるけれど、番組の構成に関わる部分を任せてもらうこともある。やりたい意思を出せば、見てくれている人はいると思います。
立原
僕も入社して2か月くらいの頃、プロデューサーから「企画書を書いてみて」って言ってもらいました。それが通って、「じゃあ台本もつくってみよう」と。先輩に教わりながら書いたものを出演者の方がやってくれて、実際に放送された。こんなに早くチャンスをもらえるんだ、とうれしかったです。
川村
やる気を見てくれている人は、絶対にいると思います。もちろん番組との相性やタイミングもあるけれど、他人が機会をくれるのを待つだけじゃなくて、自分から手を挙げることも大事だよね。
中尾
僕はまさに、それで方向が変わりました。最初はバラエティ志望だったんですけど、研修で街頭インタビューをやったら、すごく楽しくて。「報道へ行きたい」と相談したら、実際に方向転換できました。

怖い先輩と、変わりつつある現場
中尾
僕は今のところ、「体育会系で怖い」という先輩には出会っていないですね。分からないことを聞けば、教えてくれる人が多いです。
木下
僕もです。分からないことがあったとき、先輩が「OK」って会議室を取って、モニターにパソコンをつないで講座みたいに教えてくれました。
川村
それは優しい(笑)。「背中を見て覚えろ」というより、聞けば具体的に教えてくれる人が多いよね。
清水
私の現場には、正直「怖い」と感じる先輩もいます(笑)。忙しい撮影中は、言い方が強くなることもあります。でも後から、「なぜ駄目だったのか」「このままだと誰に迷惑がかかるのか」を説明してくれるので、理不尽に怒られている感覚ではないです。
川村
現場はみんな大変だから、ギアが入ると言い方が強くなることはあるよね。でも、昔のテレビ業界のイメージにあるような、手を上げるといったことはもちろんないです。先輩たち自身が、「後輩へ同じつらさを味わわせない」って、新しい文化をつくろうとしているのを感じます。

大変さを知った今も、それぞれに目標がある
木下
身近なディレクターの構成や編集を見て、「自分もこうなりたい」って思います。いつか、自分の番組を持ちたい。その気持ちは、入社前から今まで一度も途切れていません。「そんなの無理だよ」と思わせず、挑戦したい気持ちを持ち続けさせてくれる会社だと感じています。
清水
私はもっと無謀かもしれないですけど、いつか自分の番組をつくって、ギャラクシー賞を取りたいです(笑)。今は、いろいろな番組がどうつくられているのかを、とにかく見て学んでいます。
中尾
僕は街頭インタビューを極めたいです。「街録なら中尾」って呼ばれる存在になりたいですね。
立原
僕には、具体的に目標にしている人がいます。『PRODUCE 101』でお世話になった、社内のプロデューサー・高木智和さんです。全体を動かすプロデューサーでありながら、ディレクターとして現場の演出もできる。身近にそういう先輩がいるからこそ、自分も高木さんのように、両方を担える人になりたいと思っています。
川村
私は逆に、ディレクター、助監督、プロデューサーのどれを目指すか、まだ決めていません。働いてみて、「どの番組か」と同じくらい、「誰とつくるか」も大切なんだと感じました。尊敬できる人から学びながら、自分が一番力を出せる役割を見つけたいです。

取材を終えて
取材前に抱いていたのは、「テレビ制作の大変さを、採用記事でどこまで率直に話してもらえるだろう」という思いでした。しかし皆さん、忙しさも、地道な仕事も、先輩の厳しさも隠さず話してくれました。そのうえで、全員の口から具体的な目標が語られたことが何より印象に残っています。大変さをなかったことにせず、若手の声を聞き、挑戦を支えながら現場を変えていく。その率直さと前向きさに、この会社の良さが表れていると感じました。


